2023年 10月 01日
9月26日辺野古埋め立てを防衛省に問う!話し合い&院内集会の報告



9月26日(火)午後、参議院議員会館講堂にて、「防衛省との話し合い&辺野古埋め立てについて防衛省に問う院内集会」が開催され、約50人が参加しました。主催は辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会(略称:埋めるな連)。埋めるな連では、会派「沖縄の風」の伊波洋一参議院議員を介して防衛省に8項目の質問書を事前提出、質問に対する防衛省の回答を巡って14時から約90分間、防衛省整備計画局の職員5人とやり取りしました。(上記写真は記録をしていただいたUPLANの映像から。質問項目と防衛省回答は文末に掲載)
質問に対する防衛省の回答は、木で鼻をくくったような内容であり、大浦湾側の埋立て強行に向けた前のめり姿勢ばかりが目立ち、私たちの疑問に誠実に答える姿勢を全く感じさせないものでした。90分にわたるやり取り、論点は多岐にわたり、新たな疑問もたくさん出て来て、限られた時間の中で8項目のすべてを議論し尽くすことはできませんでしたが、やり取りの主要な論点を3つに絞って報告します。
なお当日26日の「防衛省との話し合い&院内集会」の動画は以下で視聴できます。
https://www.youtube.com/watch?v=brUAoWrZYlM
冒頭から珍回答!防衛省は「当事者ではない」!?➡「最高裁判決にはコメントしない」!?
最初の質問1で9.4最高裁判決に対する防衛省の受け止めを引き出そうとしたのですが、驚いたことに「裁判の当事者ではないからコメントしない」と言ってきました。沖縄県知事と国交相の訴訟なので、防衛省は関係ない、と。ではなぜ、判決翌日の9月5日に防衛相が記者会見で「司法の最終判断が示された」とコメントしたのか?防衛相も当事者だから発言したのではないのか?と突っ込んでも、「当事者ではない」と言い続けました。さすがにやり取りの最後に「判決は国交相の『是正の指示』が適法だと判断した」とコメントし、判決が出ても「県が承認したわけではない」ことは認めました。
「仮置き」土砂は大浦湾側埋め立て用!「『準備』だから『承認』が無くても・・」は詭弁だ!
やり取りの中で議論が白熱したのは「仮置き」問題でした。「白熱した」と言っても、防衛省側担当職員の説明はしどろもどろで、「準備だから承認が無くても・・・」と言い続けただけでした。質問2の最初の回答は「入札等の契約手続等」にしか触れていませんが、やり取りの中では、まず「仮置き」の土砂が大浦湾側の埋立てのための土砂であることをはっきりと認め、「仮置き」は工事の「着手」ではなく「準備」だから「承認」が無くても可能、と言い張りました。さらに「仮置き」工事は仲井眞知事の当初の「承認」の範囲に含まれるという説明も付け加えました。
まず「仮置き」の土砂が大浦湾側の埋立てのための土砂であること、「仮置き」が大浦湾側の埋立ての不可分の一部であることを認めたことは重大です。「あくまで『準備』だから・・・」の説明には、国会の委員会で日ごろから防衛省を追及している伊波洋一議員からも、会場からも「仮置き工事は8月3日に360億円で契約が済んでいる。この巨額の費用はどこから支出されるのか?仮置きは『準備』ではなく承認されていない大浦湾側工事の『着工』ではないか?なぜ承認前に着工できるのか?」と疑問が噴出しました。
また「仲井眞知事の当初の承認に含まれる」という説明にも「当初の承認のどこに仮置き工事が記されているのか?2020年の変更申請で『変更内容』として初めて仮置き計画が明記されたのではないか?」「当初申請の時には防衛局自身が『仮置きは必要としない』と明言していたではないか?」など疑問の声が多く出されました。防衛局が「仮置き」の根拠とする当初の埋立て願書にある添付図書で、土砂投入が終了した範囲は順次舗装や雨水排水、建築などの工事が実施されるため「長期間使用できる場所を代替施設の既埋立て範囲内に確保することは不可能」と記述。当時の当初願書に対する知事意見に対し防衛局は「埋め立て材と地盤改良材は、揚土後すぐに使用する」「仮置きは必要としない」と回答しています(8/1琉球新報記事)。防衛省の理屈は、完全に破綻していると言わねばなりません。
8/29に県は沖縄防衛局に仮置き工事に着手しないよう求める行政指導文書を出していますが、防衛局はこれを無視しています。
防衛省とのやり取りの最後に、「仮置き」は大浦湾側の埋立て工事の着工であり、認められない、と改めて強く申し入れました。(この日の防衛省職員は、まだ土砂「仮置き」はしていないと言っていましたが、辺野古現地ではすでに土砂が「仮置き」されているのではないかという指摘も出ています。)
軟弱地盤は海底90m➡なぜ「70mまで地盤改良すれば大丈夫」?
B27地点の海底90mの軟弱地盤についても議論になりました。「70mまで改良工事をすれば大丈夫。70mから90mまでは『非常に硬い粘土層』だから地盤改良しなくても大丈夫と技術検討会で専門家の確認を得ている」というのが防衛省の言い分でした。「70m以深は地盤改良しない、地盤改良のための砂杭も打たない」ことを明言したことは重大です。「技術検討会で専門家の確認を得ている」と言っても、環境監視等委員会と同様に技術検討会の詳細な議事録は公開されておらず、防衛局の説明にお墨付きを与えるだけの「専門家」の御用機関と化しており、信頼性に欠けます。
「非常に硬い」と言っても、本当に琉球石灰岩の「粘土層」が、軍事空港のような巨大建造物に耐えられるのか?会場からは「B27地点から離れた3地点のボーリング調査結果からB27地点の地盤強度を推定しているのはなぜか?」「90メートルまで地盤改良すればより安定性は保たれるのに、なぜ70mでよしとするのか?」という根本的疑問が出されましたが、防衛省側から納得のいく説明はありませんでした。実は世界的に見ても、技術的に海底70mまでしか作業できない現状があるために、後付けで「70mで大丈夫」としているに過ぎない、という指摘もあります。
防衛省は地質学者から出されている活断層の問題も無視しています。質問8の政府機関の出した巨大地震の可能性についても、「技術検討会において、有識者に護岸等が所要の安定性を確保していることをご確認いただいております。」と答えるばかりで、真剣に検討した形跡はうかがえません。
この地盤改良工事については「米軍との調整もしているのか?」と問うと、「米側との詳細なやり取りはお答えできませんが、地盤改良工事については、米側にも説明をしております。米側も承知しています。」と答えました。この点については環境団体OEJPが米国防総省に対し、米情報公開法を使い辺野古新基地建設に関わる軟弱地盤についての国防総省独自の分析評価の公開を請求しています。その背景には、米国連邦議会調査局が軟弱地盤改良に伴う技術的問題を指摘、米会計検査院も環境問題を懸念している事実があります(9/28沖縄タイムス)。
政府防衛省、国交省を弾劾し、玉城知事を全力で支えよう!
防衛省との話し合い終了後は、院内集会を開き、50人の参加者で約1時間意見交換しました。伊波洋一議員のほかに、立憲民主党の水野もと子参議院議員、社民党の大椿ゆうこ参議院議員、高良鉄美参議院議員秘書が駆けつけていただき、また沖縄タイムス、琉球新報などの記者も来場、9月28日の琉球新報に短い報告記事が掲載されました。
9月21日に沖縄防衛局は大浦湾側の護岸工事に関する実施設計の協議文書を県に提出していたことが報道されました(9/29琉球新報)。360億円の「仮置き」工事契約(8/3)から大浦湾側の工事発注(9/8)、そして大浦湾側護岸工事の実施設計の協議文書提出(9/21)と、「承認」を得ないまま、法手続きを無視した防衛省の無法行為は留まるところを知りません。「知事が承認しなければ多額の損害賠償請求される」などという報道がありますが、変更承認もないまま大浦湾側土砂「仮置き」工事の契約(360億!)、護岸工事など税金を湯水のように注ぎ込み違法な工事に突き進む沖縄防衛局こそ、賠償請求されるでしょう。
斎藤国交相(公明党)も承認「勧告」から「指示」を玉城知事に突き付け、10月4日までの承認を迫っています。
いまこそ政府防衛省、国交省の強硬姿勢を弾劾し、玉城知事を激励し支えましょう!
[資料:質問項目と防衛省の回答(当日の録音をテープ起こししました)]
[質問1] 大浦湾の埋め立て設計変更申請(以下変更申請)の承認を巡る訴訟では、福岡高裁那覇支部が本年3月16日に判決を言い渡した。そこでは、「B27地点での力学調査や軟弱地盤については考慮すべき事項ではない」という判断が示されたが、今回の最高裁判決では申請の中身については一切触れず、内閣の一員である国交相が国の身内の判断として不承認を違法とした裁決に知事は拘束されるとして、国交相の是正の指示は違法ではないとしたに過ぎない。
(1)防衛省は、最高裁が軟弱地盤の改良は可能だと自ら実質的に判断したと認識しているのか、それとも国交相の判断を追認したに過ぎないと認識しているのか。
(2)防衛省は、最高裁が変更申請の内容が公有水面埋立法が定める承認の要件を満たしていると自ら実質的に判断したと認識しているのか、それとも国交相の判断を追認したに過ぎないと認識しているのか。
(3)防衛省は、最高裁判決には、代執行の手続を経なくても、知事に承認を強制する効力があると考えているのか? あると考えているとすればその根拠は何か?
(4)変更申請の承認は地方自治法で規定する法定受託事務であり、知事にその権限が与えられている。国と地方は対等であるという地方自治法の基本原則により、是正の指示が違法ではないと裁判所が中立的第三者として実質的な判断をした場合を除き、国は知事にその判断を強制することは出来ないのではないか?あると考えるなら、その根拠は何か?
[防衛省の回答]
最高裁判決に対する認識、効力についての質問ですが、防衛省としては、沖縄県知事と国交相との間の訴訟について、お答えすべき立場にありません。
[質問2] 沖縄防衛局は8月3日、大浦湾側の埋め立て用土砂の仮置き工事の契約を行った。
9月8日にはC-1護岸、C-2護岸、A護岸、係船機能付護岸工事等の入札公告を行い、さらに10月20日にN-1護岸、N-2護岸新設工事の入札公告をすると発表した。
設計変更申請が承認されていないにもかかわらず、それを前提として工事を入札・発注することは行政の越権行為であり著しく妥当性を欠くのではないか?
[防衛省の回答]
防衛省としては、普天間飛行場の一日も早い全面返還に向けて辺野古移設工事を確実に進めていくことが重要であり、大浦湾側の工事に向けた準備を進めておくことは必要なことであると考えています。一般的に建設工事においては、法令手続きが完了する前に、工事の契約手続きを進めることは通常行われておるものと承知しております。本事業においても、変更承認の前に、入札公告等の契約手続きを進めることは問題ないものと考えております。
[質問3] 設計変更申請が承認されても、知事とこれらの護岸工事の実施設計協議が必要である。この実施設計で、「より詳細な審査又は協議」(2013.3.16福岡高裁那覇支部判決)が行われ、設計内容が変更されることもある。現時点で工事を発注することはあまりに拙速ではないか?
[防衛省の回答]
防衛省としては普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現するため、大浦湾側の工事に向けた準備を進めておくことは必要であると考えています。その上で、実施設計協議については、丁寧かつ誠実に協議を行ってまいります。
[質問4] 大浦湾埋立用土砂を仮置きする2件の工事の設計図書では、仮置きする土砂(岩ズリ)の細粒分含有率が「40%以下」と指定されている。当初の環境保全図書では、辺野古の埋立に使用する土砂の細粒分含有率を「概ね10%前後」としている。大浦湾の埋立は、外周護岸を仕切る前に土砂を投入する先行埋立が行われる。
その土砂の細粒分含有率が40%以下に大幅に緩和された理由は何か。また、細粒分含有率が40%以下の土砂で軟弱地盤を改良できるのか、根拠を示して明らかにされたい。
[防衛省の回答]
ご指摘の工事は、大浦湾側の埋立てに必要となる石材、いわゆる岩ズリの細粒分含有率についてですが、閉鎖的な水域で使用することを前提として「40%以下」としているところです。なお閉鎖的でない水域で使用する岩ズリの細粒分含有率は「概ね10%前後」とする予定です。地盤改良工事については岩ズリを使用する予定はありません。
[質問5] C-1護岸、C-2護岸、係船機能付護岸工事等にあたっては事前に、SCP工法による地盤改良工事が行われる。SCP工法では同時に3隻の作業船が必要となるが、防衛局の以前の説明では、海面下70mまで改良できるSCP作業船は国内に1隻しかなく、後の2隻は「改良により可能」であった。これらの改良工事は完了したのか?
[防衛省の回答]
所定の深度まで地盤改良するために必要となるSCP船の改造については、大浦湾側の地盤改良工事の契約締結後に、受注者と具体的な調整を行う予定です。
[質問6] 昨年4月に、辺野古への基地建設を許さない実行委員会が貴省に行った質問状に対して、日本工営株式会社に発注している土木設計の変更が延長されていることを防衛省は認めたが、現在設計変更は完了しているのか? もし完了しているとすれば、水深90mに及ぶ軟弱地盤の改良工事に対応している内容となっているのか?また、そのための技術、設備、船舶等の準備は出来ているのか?
[防衛省の回答]
変更承認申請では、これまでの検討を踏まえ、最も深いところで水面下約70mまで地盤改良することで、構造物等の安全性を十分に確保できることを、有識者で構成される技術検討会にお示しし、確認していただいているところです。ご指摘の設計業務についても、設計変更申請の内容に沿って行っており、必要な地盤改良工事に対応したものとなっています。あた一般に工事に必要な資機材については、実際に工事を行う際に、受注者において、適切に対応するものと承知しています。現時点においては、大浦湾側の地盤改良工事については、先般入札公告を行ったところであり、契約締結後、受注者において適切に対応していくものと承知しています。
[質問7] 設計変更申請書では、沖縄南部地区から大量の埋立土砂調達が可能としているが、政府はこれまで、「具体的な調達先は、工事の実施段階で決まるものであり、南部地区から土砂を調達することが確定しているわけではない」としてきた。 それなら、具体的な土砂調達先を決めた段階で、沖縄県の承認を得る手続き、あるいは協議を行うのか?
[防衛省の回答]
変更承認後に調達する土砂の調達先は決まっておりません。ご遺骨の問題は大変重要なものであると考えており、こうしたことも踏まえて、事業を進めてまいります。
[質問8] 2022年3月22日、政府の地震調査委員会は、「南西諸島周辺でマグニチュード8級の巨大地震が起きる可能性がある」という長期評価を発表した。今回の設計変更申請の耐震設計は、そのような巨大地震に対応できるのか?
[防衛省の回答]
地震調査委員会が公表した内容については、承知しております。普天間飛行場代替施設の護岸等については、使用者である米軍に確認した上で、施設の用途等を踏まえ、耐用年数中に一度は受ける可能性のある地震動であるレベル1地震動に対応した設計となっています。その上で、国土交通省の監修する「港湾の施設の技術上の基準等の解説」に準拠して護岸等の設計を行い、技術検討会において、有識者に護岸等が所要の安定性を確保していることをご確認いただいております。

